・上記は前芝で撮影されたものがベースとなってます
・海苔に付いては「六条潟のHP」に詳細を記載してます
・左の画像をクリックすると「六条潟のHP」リンクします
▶ 三河海苔音頭
▶ 音頭作詞者の陳情書
陳情書
陳情者 豊橋市牟呂漁業組合長 倉内源次 他七漁業協同組合長
陳情年月日 昭和二十八年五月二十五日
陳情書
従来私共海苔養殖業者は、同養殖場並に、其の周辺に流れ居る所謂落海苔を篊についている海苔を切離して考えた事はなく、亦別個に取扱ったこともなく、従つ て、拾い海苔漁業もないわけであります。
何故ならば、海苔を養殖してこそ落海苔があるのであつて河川の上流や海の沖に自然に生殖して流れ寄ったものではありません。故に摘み取海苔も切れてその下に落ちてる海苔も一体のものでありまして養殖業者と致しましては、両者を採捕するに非ざれば収支が償い兼ねる実情であります。
如何に落海苔に誰々の所有を明示する烙印がなくとも、区画の内外に流れている以上は区画使用者の所有物である事は明々白々であります。
故に、私共は創業以来組合の鉄則として、運営して来たのでありまして、今日に於ては常法通念と迄相成っておるのであります。
(略)
先回、三河海区漁業調整委員会の拾い海苔操業に対する指示線は、水産庁並に県水産課の指示する法を信奉すると同時に、当地方海苔養殖業の実体を把握し、最も 適切に篊の保護区域は二十五米の最短とし、拾海苔操業は、音羽線を以て二区分と決定せしは従来の美風を生かし、一方漁場秩序と養殖業の発展に寄与せんとの思考に外ならざるものと私共は感謝した次第であります。
然れども、不幸にして上の圧力により、同指示線も解除を余儀なくされ、養殖場周囲二十五米以外は無数に散乱する落海を養殖業者以外の者に拾い去られ、多大 の損害を蒙ると同時に、多年の努力により築き上げたる美風も一朝にして破壊され、折角発展途上にある海苔養殖業に暗影を投ぜられしは、如何なる角度より考察するも遺憾の極と存ずるのであります。
以上縷々述べました如く、遠い昔よりの慣習により海漁業に従事し来りし関係上調整委員会の指示は別に無法たる理由でなく、従つて異議を申し立てる者はなき筈であります。故に私共は何処までも調整委員の指示線の復活を希い願うものであります。